「サボテン今昔」

2007.4.28-

サボテン今昔は、今年の新年会において、発行者であり当クラブ会員の加藤一郎氏から紹介がありました。
編集より詳しい紹介を追加します。

「サボテン今昔」平尾 博

本書は日本多肉植物の会会報「サキュレント」に連載した記事の抜粋だそうで、A5版で本文は154ページである。
同氏の主宰するWebシャボテン誌に掲載されている目次を見ると30程の項目が並んでいる。
それを見て先輩の回顧談が中心かと思っていたが、先入観は全く外れた。
特に前半は、サボテンとその栽培に関する、専門的な考察で溢れていてとても刺激的である。

例えば「稜」では、ランポー玉はどうして5稜なのかに始まる、特定の稜数が多い理由について、また「ネオテニー」では、ツルビニカルプスなどで幼形を残したまま花をつけることについて、書かれている。
ただし通常の本はここまでで終わってしまうのに対し、本書では、前者では例外を多数挙げ、後者では他にも沢山あることを指摘するなど、長い経験と積極的な問題意識で、発展させているのが面白い。
なお、このようなことは本書の随所に見られる。

一方、「高温」の項では、一般の趣味家は見ることのない英文学術誌に掲載されたサボテンの各部表面の最高温度の測定記録を紹介し、巻末近くの「コピアポアの新刊書」では、大抵の洋書を辞典的に使うのに対して、本書は隅から隅まで通読し、かつ随所で感嘆しきりであったと紹介している。学術的にも真摯にサボテンと取り組んでおられることが伝わってくる。
表題の通りの史料的価値も非常に高いことは言うまでもない。
すでに「日本サボテン史」を編集され、サボテン界の「史記・列伝」として重要な記録を残されているが、本書はそれになかったことを書かれたのは勿論であるが、きれいな写真が多い為さらに貴重な記録となっている。

この他の項も、それぞれにとても面白く味があるが、下手な紹介をするより、読んで頂く方が良いに決まっている。
さらに一読者の勝手な読み方として、この本は「サボテン今昔」であると同時に、平尾博氏の自叙伝(ご本人は望まれなかったことであろうが)としてもとても感銘深かったことを付け加えたい。
最後の紹介になってしまったが、巻頭をノーベル賞受賞化学者「白川英樹」氏の特別寄稿「サボテンと私」が飾っている。
サボテン歴と平尾氏を初めとする方々との交流が綴られているが、平尾氏の生産者、指導者、趣味人としてのサボテンと人に対する暖かさが伝わってくる。
本書ができるまでに尽力して下さった日本多肉植物協会、加藤一郎、大森緋可子さんに読者の一人として感謝して紹介を終えることにしたい。

表紙と目次の一部は下記のHPより転載させて頂きました。
以下は購入法について出版元からの案内の転載です。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~websabotenkonjaku/index.html
定価1800円(税込み)送料(200円) 合計2000円
(メール便で発送いたします。)
ご購入ご希望の方は下記までメールでご連絡下さい。
sabotenkonjaku@yahoo.co.jp
折り返し送金先その他の詳細を返信させて頂きます。
、一部業者さん、趣味の会にも販売を願いしておりますので
ご都合の良い方法でお求め下さい。