メキシコのサボテンの保護
2003.11提案
2006.11メキシコ保護家との相談
2006.12カクタス東京掲載
2007.1.28公開

メキシコのサボテンは以前から園芸目的の採取や、土地の開発の為に絶滅の危機に瀕している種類があることが知られていました。メキシコの大統領が自由貿易協定締結交渉のため来日し2003年12月に大阪府立大学を訪問した機会に、記念事業としてメキシコと同大学の共同でサボテン自生地を保護することを提案しました。それについて紹介します。


フォックスメキシコ大統領夫妻(右端)、大阪府立大学 南努学長(隣)

目次
1.初めに
2.メキシコの球形サボテンの危機
3.考えられる保護活動
4.具体的な協力活動の提案

1.初めに
メキシコのサボテンは、従来の園芸目的の採取、開発による自生地の破壊に加えて、最近では地球温暖化に伴う異常気象などにより危機に瀕しています。
これに対して、例えば世界自然保護基金(WWF)は最も自然の豊かなチワワ砂漠を世界で200の保護地域の一つとして指定するなどの取り組みがあります。
サボテンについても、主な産地の植生を調査し、種類の豊かさ、固有種の多さ、危機度などを考えて保護の優先順位を提案するなどの研究が成されています。
我が国は以前には世界一のサボテン輸入国であったように愛好家が多いですが、このような事態に対して現地のサボテンの保護ができると良いと思います。

2.メキシコの球形サボテンの危機
メキシコの球形サボテンの危機的状況を広く訴えた本として、アンダーソンらによるThreatened Cacti of Mexicoがあります。
WWFの援助により、調査が行われました。
最近では、メキシコの大学が、現地のサボテンの詳細な調査を行い、危機的状況を訴え、保護の方策を提案しています。また、それに基づいて保護地域の指定が行われた例もあります。

3.保護活動と考えられる協力
(1)保護する為の実地の調査は、まだごく一部の地域でしか行われていないので、今後他の地域でも行われる必要があります。この作業に対する援助や現地での協力、また調査報告の出版の援助も考えられます。
(2)開発の為に危機に瀕している所では、植物を掘り取って安全な場所に移すことが行われます。その場合は採取と、植え直しとその育成が行われます。さらに増殖して、野生に戻すことも考えられます。
(3)可能ならば、重点的に保護すべき地域の指定や、買い上げがあります。
保護には、生物多様性の維持という視点があります。種の同定、地域変種の同定など、現地でなく、研究室での研究が必要になります。これには、科学先進国での成果や研究手段を活用することが考えられます。
(4)保護活動を行うには自生地の住民の理解や協力を得ることと、人々の生活の向上が、間接的ですが不可欠です。

4.具体的な協力活動の提案
栽培技術の指導、資材の提供
調査・報告書出版の資金援助、現地活動
保護地の買い上げへの資金援助
など
「21世紀のサボテン栽培」で紹介している方法は現地での栽培技術の向上に役立つと思われます。
リタイヤした趣味家の現地滞在や、寄付等による資金援助が期待されます。
チワワ砂漠の南縁にあるサルティーヨの砂漠博物館で、保護の具体的な取り組みについての相談が行われました。
「Cactus21C」基金の準備が進められ、現地派遣の援助や、カクタス東京への印刷費補助に使われています。


現地活動家Rodrigo Gonzalez(右)とEmilio(左)


クアトロシネガス町長(右)に協力要請