木の葉サボテン亜科・ウチワサボテン亜科
2006.誌上発表
2007.1.31開設・公開
2.2ウチワサボテン亜科追加
初めに
サボテンの始まりは木の葉サボテンと言われています。国際分類では17種あるとされています。遺伝子解析により、それらの系統関係や他の亜科などとの関係が検討されているのでそれを紹介します。ウチワサボテン亜科についても同時に研究されているので一緒に紹介します。

1.木の葉サボテンの分類
(1)分類の歴史
アンダーソンのサボテン科[1]によると、木の葉サボテン(Pereskia)が最初に採集されたのは17世紀の終わり頃で、1703年に初めて記述されました。リンネは2種を記述しています。属名が確定したのは1754年です。1935年にはRhodocactus属が設けられましたが、国際分類では採用されていません。年に遺伝子解析の結果が発表されて、17種類の関係などが明らかにされました。2005年に遺伝子解析の結果が発表されました[2]。

(2)遺伝子解析による分類と系統
国際分類で種とされている17種を解析すると、南方系と北方系に分けられることが分かった。一般に手に入る杢キリンや桜キリンなどは、全て南方系に属する。北方系と言っても、北米に多くあるわけではなく、殆どは中米やカリブ海中の島にあるが、一部はメキシコまで分布する。北方系(の現生種)の方が古くから分かれたとされていて、一般に太い幹となり、花は黄色が多い。是非栽培してみたい。


桜キリン(Pereskia nemorosa 1897, BRA, PAR, neARG, nwURU)の花

2.ウチワサボテン亜科の分類
(1)分類の歴史
アンダーソンのサボテン科によると、ウチワサボテン(Opuntia)の言葉が最初に使われたのは1700年で、11種が記載されたそうです。学術的に正当とされる記載はリンネの発表の後の1754年でした。その後多くの属に分けられ、国際分類では15属となっています。大きなグループの為昔からその中をさらに分ける動きがありますが、まず、基本的に、葉のある物、円筒または棒状の物、平板状の物に分けられ、この順に進化してきたと考えられています。Opuntia属は最大で181種あり、実質的に南米と北米にまたがる唯一の属と言えるでしょう。遺伝子解析の結果は、上記の木の葉サボテンの解析における2005年の発表の他に、食用・家畜の飼料として広く栽培されている「宝剣」の関連の解析として一部が2004年に発表され[3]、両者を併せることによりほぼ全貌が窺えることになりました。

(2)遺伝子解析による分類と系統
ウチワサボテンは遺伝子解析では、柱サボテンと対を成して全体として、木の葉サボテンと兄弟とされました。木の葉サボテンと一緒に解析されたのは主に葉物と南米円筒系で、Ausrocylindropuntia, Tephrocactus, Quiabentina, Pereskiopsis, Brasilopuntia, Opuntaで、一方、宝剣に関連して調べられたのは主に北米系・扁平系で、Opuntiaの他にNoparea(Opuntiaに統合), Consolea, Miqueliopuntia, Tunila, Brasilopuntia, Tacinga, Cylindropuntia, Micropuntia(Grusoniaの一部)です。国際分類とはやや分け方が異なりますが、Cumulopuntia, Grusonia, Maihueniopsis, Pterocactus以外は全て調べられていることになります。南米の葉物と円筒であるAusrocylindropuntia, Tephrocactusの群と、北米の葉物であるQuiabentina, Pereskiopsisとは別群で、他はそれと並列でありその中は北米の円筒Grusonia, Cylindropuntiaが分かれてから、扁平系が南米のBrasilopuntia, Tacingaから始まりMiqueliopuntia, Tunilaが分かれ、北米系のNoparea(Opuntiaに統合), Consolea, Opuntaが最後に分かれたようです。Opuntiaは北米系と南米系が近縁のようです。

詳細は「カクタス東京」443号参照。

参考資料
[1] E. F. Anderson, The Cactus Family, Timber Press.
[2] E. J. Edwards, R. Nyffeker and M. J. Donoghue, Basal Cactus Phylogeny: Implications of Pereskia (Cactaceae) Paraphyly for the Transition to the Cactus Life Form, American Journal of Botany, 92(7) (2005) PP. 1177-1188.
[3] M. P. Griffith, The Origin of an Important Cactus Crop, Opuntia Fiscus-Indica (Cactaceae), New Molecular Evidence, American Journal of Botany, 91(11) (2004) PP. 1915-1921.