殺虫剤の薬害

2006.2サボテン信州掲載
2007.3.18公開開始
1.初めに
農薬は言うまでもなく人体に害がある。殺虫剤が害虫に作用する機構は色々であり、それによって、人体への害にも違いがある。化学物質の急性毒性は一般にネズミに経口投与して、半分が死ぬ量で表され、少ない程猛毒と言うことになる。
最近サボテンに良く使われるのは、オルトランとかダイシストンで、土に混ぜて、根から吸収され、樹液を吸う害虫に吸収されるタイプで、浸透性農薬と呼ばれるが、最も毒性が強い。。

2.薬品の毒性の例
浸透性薬剤
有機リン系
有機リンは古くは化学兵器として使われ、サリンも含まれる。
ダイシストンは化学名はエチルチオメトン、詳しくはジスルホトン、ジエチル−S−(エチルチオエチル)−ジチオホスフェイトと呼ばれる有機リン系の物質を5%以上含む殺虫剤で特異臭がある。
エカチンも同じである。
多量に吸収すると呼吸不全となり(マウスの経口致死量は14mg/kgでマラソンの1/100)、また発ガン性・変異原性がある。欧州ではDDT等と共に使用が禁止されている[1]。
土に混ぜる際などに手で触れると皮膚から吸収される。
また使用後少なくとも2週間程度は有毒ガスが出ているので温室などへの立ち入りは健康に悪影響がある。
ちなみに我国では幾つかの野菜(例えば春菊)では禁止農薬となっている。
畑での使用量は例えばミカンネコナカイガラムシ対策としては, 15〜20kg/10a, 収穫30日前まで, 2回以内とされている。サボテン温室での使用量がいかに濃密か分かる。
しかも畑では地下に潜っていくのに対し、温室は密室であり、水やりと共に鉢の外に流れると却って温室内で直接空気に触れることになる。
一方、オルトランは化学名アセフェート、化学式はC4H10BO3PSで表される。
ダイシストンと同じく粒剤を土に混ぜて浸透性農薬として良く使われる。
アブラムシや、カイガラムシと近縁のコナジラミに効果があるとされている。
我国でも欧州連合でも禁止農薬にはなっていないようである。

(もっと詳しいことはカクタス東京に掲載の予定)

[1] 例えば「衆議院議員原陽子君提出残留農薬に関する質問に対する答弁書」、2002.8.27
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b154123.htm。