21世紀のサボテン栽培法−基礎編
2.水やり
2006.6 誌上発表開始
2007.2.5 公開開始
目次
(1)初めに
(2)培養土の含水量の測り方
(3)含水量の減り方の法則
(4)高温期の水やり
(5)低温期の水やり


(1)初めに
これまで、水やりは、鉢から溢れるまで、とか、冬は湿らせる位とか、感覚的で抽象的な言い方がされています。また、水やりの間隔も人により意見が異なり、余り参考にできません。水やりの仕方は、1回にやる水の量と、水やりの間隔で主に表せると言えるでしょう。ここでは、水やりの量をきちんと表すと共に、間隔の代わりに、水の残っている量を水やり時期の目安にする客観的で定量的な方法を述べます。秤を使って鉢の重さを測ると水がどれだけあるかが簡単にはっきりと分かります。また、土の種類・粒の大きさと鉢の大きさから、最大の水の量も分かります。肉屋さんのように鉢を秤に載せたまま水をやるか、料理のように枡を使えば、水やりの量もはっきり分かります。鉢の乾き方は実は単純です。これで失敗が防げ基本的なコツを掴んだら、さらに改良すれば良いと思います。

(2)培養土の含水量の測り方
サボテンの鉢は一般に小さいので、料理用などの小さな秤で重さを測ることができます。最近は精度の良いディジタル秤も売られていて1gまで測れます。水やり前の重さと水やり後の重さを比べれば、差が水の量で、簡単に求めることができます。栽培になれない内、鉢が少ない内は、鉢を秤に載せながら水をやるとよく分かります。
特に、鉢底から流れるまで水をやって、しばらくしてからの量は、「最大保水量」と言って水やりに最も基本的な量です。
培養土の種類と粒の大きさ、鉢の大きさが同じなら、どの鉢でも最大の含水量はほぼ同じです。従って、全ての鉢を測らなくても似たもの一鉢を測ればあとは大体分かります。


デジタル秤に載せた太陽の鉢、重さが表示されている。

(3)含水量の減り方の法則
さて、上のようにして、鉢の重さを水やりをしたときから日々測り続けるとどうなるであろうか。水やり前に殆ど乾いていたとすれば、水やり前の重さを引いた重さは土の中の水分の量と言うことになる。例を下左の図に示す。初めは速く減り、後程遅くなるがつかみ所がない。そこで、水の重さの対数をとって、片対数で表すと下右の図のようになる。長い日数に渡って直線で減っていくことが明らかである。すなわち、「培養土の水の量は時間に対して指数関数的に減っていく」ということが分かった。縦軸の一目盛りは0.3=log2にしてあるから、一目盛り下がることに水の量が半分になっている。これに要する時間を放射能の場合と同様に「半減期」と呼ぶことにする。グラフの傾きは材料の種類や鉢の大きさや季節によって変わるがそれにも規則性があることは言うまでもない。
水やりに関する土の性質を、「最大保水量」と「含水量の半減期」という2つの数字で明確に規定できるようになった。たとえ材料や粒の大きさが異なっても、これらが同じ材料は水やりに関しては同等と言うことになる。
以上のことから、「含水量が初めの何分の一になったら水やりをする」というように、次の水やりのタイミングをはっきりと規定できることになる。

 
水やり後の含水量の変化                     同じ、片対数表示

(詳しくはカクタス東京444号)
(続く)




(もっと詳しいことは「カクタス東京」444号参照)